世の中、少なくとも日本では、メインフレームは古い、金がかかる、開発コストがかかるという考えが大半だと思います。海外ではむしろ最大限に使うという傾向が強いです。
この日本でのイメージは国産メインフレームの要素もあるように感じます。

私はメインフレームがベースではありますが、どんなシステムでもメインフレームが有効であるとは考えていません。あくまで会社に貢献するシステムにおいてITは単なる道具であって、それがメインフレームである必要はないと考えます。
ただ、単にオープン系がいい、言語はこれがいい、というだけでシステムを企画するべきではないと思います。検討するにあたって、メインフレームも視野に入れつつ、選択してみるのもよいかと思います。私の目から見ても明らかにメインフレームである必要がないというシステムもあります。
歴史云々はIBMのサイトやエバンジェリストの方が説明していますので、興味があったら見てみてください。
ただ、一つお話をしますと、世の中の仮想化やOSの概念はすべてメインフレーム由来です。
メインフレームに追いつくべくということをやっています。最終的にはメインフレームになるということを目指しているようにも感じます。

このIT技術の進化が激しい現代において、40年間もメインフレームが生き残っている理由はなんでしょうか?ホントに需要がないものであれば消滅していてもおかしくないと思います。
一時期ダウンサイジングが流行し、消滅の危機にあいましたが、結局生き残っています。

理由は時代に応じて変わる部分があると思いますが、独自のアーキテクチャがあるので時代に応じたいろんなニーズに対応ができたからというのが理由の一つもあると思います。
大量処理を前提に設計された、メインフレーム。個人使用から始まったオープン系。
この辺にも違いはあると思います。

よく言われるデメリットの一つにレガシィーな言語や、あの黒い画面とかあります。
実はとあるフルオープン系で勘定系システムを稼働させてところにお話を伺う機会がありましたが、確かにオンライン系は今時の言語で開発されているようですが、夜中のバッチ処理は実はCOBOLで書かれているそうで、まさに適材適所です。古いから一概にダメだということではないということです。
実はオープン系にもデメリットはあります。数年ごとにスクラッチ&ビルドを繰り返す前提であればこれはデメリットにはならないと思います。
ある程度継続的に使うという前提であれば、デメリットは顕在化します。
技術的には割と知られている部分があるので割愛しますが、実はコストの面で発生します。
実はメインフレームのソフトウェアにおいてもサポート期間というのは存在しますが、コンバージョンコストはそれほど高くはありません。
オープン系の場合、とある、データベースソフトがサポート期限を迎え、バージョンアップをしないといけない場合、そのデータベースをサポートするOSは新しくなければいけない、今度はそのOSをサポートするハードウェアが新しくしないといけないという状態になります。
これが台数が増えるとかなりコストとして現れます。
これができないシステムは結局塩漬けになり、旧来のメインフレームと同じような事態に陥ります。
確かに初期費用の面ではオープン系に分があると思います。
ただ、10年スパンでコストを見てみるとメインフレームのほうが安いという結果が出たことがあります。

新しいテクノロジーとして、Linux on System zというのがありますが、メインフレームには大量処理が得意なのでサーバーの集約が可能になり、この部分でもコストは削減できます。
これは完全にLinuxなので、IA-Linuxとできることはほぼ同じです。

最終的には企業が選択するものなのですが、偏見ではなく、メインフレームも選択肢として考えてみるのもありかもしれません。